キラーパス
世界に冠たる日本の製造業では、トヨタにおける〝カイゼン〟を代表的な例として、生産効率向上の仕組みづくりが当たり前のように行われています。こういった地道な日々のカイゼンが日本の製造業、そして日本の経済の基盤を支えてきたのは皆さんご存じの通りです。
一方、営業や事務、マーケティング、製品開発、経理、財務、法務などのホワイトカラーに目を向けてみるとどうでしょうか?
営業を例にとってみると、私自身もすでに100社を超える企業の営業改善コンサルティングの場面において様々な話を聞いてきましたが、そのやり方やマネジメントの方法は、驚くべきことにここ30年ほど本質的には変わっていないのが実態です。
では、30年間変わっていない営業のやり方とはどのようなものでしょうか?
それは精神論や根性論、下への仕事の丸投げ、あるいは、根拠のない一方的なノルマの押しつけといった、非科学的なやり方が今でもまかり通っていることです。
企業の業績に差が出てくる理由には様々なことがありますが、その原因の一つとしてあげられるのが「プロセスの問題」です。これまで社員の属人的なやり方に任せて、結果だけしか見ていなかった会社は、めまぐるしく変わる経済などの環境変化についていけず、業績が立ち行かなくなっています。一方、プロセスを見える化し、継続的に改善している会社は、業績を着実に向上させているのです。
結果だけに一喜一憂し感覚で対応するのでは、もはや現在のビジネスの場においては戦えません。競合と戦って勝ち残っていくためには、「結果がすべてだ! プロセスはどうでもいい」という古い考え方から脱皮し、「結果は、各社員の属人的な努力の積み重ねではなく、会社が定めたプロセスの延長上にある」という考え方にシフトしていくことが求められているのです。
(2024年06月26日)