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コラム

人事評価が人生を決める

世の中には、誰もがなんとなくおかしいと感じながらも、常識のように思われているために放置されていることが多く存在します。

 

書店に立ち寄り人事のコーナーに立つと、人事評価に関する本は意外と少ないことに気づきます。あっても人事制度を設計する専門家向けの本が多く、「評価される側の視点をもつ本」はほとんどありません。不思議ですね、人の人生を左右するのに。皆自分の評価には、あまり興味がないのでしょうか。実際は一生の内のかなりの時間を仕事にとられるわけで、評価は間違いなく重要な関心事のはずですが……。

 

あるいは、「仕事だけが人生ではない」「肩書きで人の価値が決まるわけではない」とまことしやかに言われます。しかし、皆心底からそう信じているのでしょうか。きれいごとは別として、仕事における人事評価でその人の価値や人生が決められてしまうという世間の見方が一方では存在しています。

 

さらに、肝心の人事評価の判断基準やプロセスは不透明です。しかし、ほとんどの人が文句を言わずに黙ったままです。「人事評価に対してものを言っても仕方がない」とあきらめているのでしょうか。それとも「評価を公に論じるものではない」という“暗黙の常識”が理由なのでしょうか。

 

私は、人の一生を左右する大切な人事評価をこのまま放ってはおけません。人事評価に携わる人々も本音では「今のままの評価を続けていいのだろうか」と憂いています。主観によるあいまいな評価を続ける限り、本当にまじめに働いている人が報われる日は永久に来ません。


(2009年08月08日)

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