公正な評価は存在するか
「公平な人事はありえない」「完璧な評価など存在しない」「誰もが納得する評価などない」と当たり前のように言われますが、本当にそうなのでしょうか。根拠のない常識の嘘にとらわれ、カイゼンの努力を怠ってはいませんか。
私は「平等」な前提条件のもと、「公平」な運用ルールに従い、客観的な事実やデータに基づいて「公正」な評価を行うのであれば、より納得度の高い人事評価は存在しうると信じています。
評価の前提条件は、担当する業務や内容の差を踏まえた上で、全員に対して「平等」でなければなりません。また、評価の運用にあたっては、評価の基準を明確に示し、評価のプロセスを見えるようにして、皆に対して同じルールを「公平」に適用しなければなりません。そして、評価を行う際は、客観的な事実やデータを基にできるだけ主観を除いた「公正」を期さねばなりません。
確かに、年功序列が過去のものとなった今、会社への貢献度にかかわらず、評価の結果が皆、「平等」や「公平」ということはもはやありえません。また、全員が納得する評価制度を追求する必要もありません。
しかし、継続的なカイゼンを惜しまないのであれば、8割の人から見て納得できる、より「公正」な評価は存在しうるのです。
(2009年08月22日)