コラム

繰り返される問題の本質


ちょっと古い話で恐縮だが、今年の5月中旬に日大アメフト部の悪質タックル問題が発生してから約半年が経った。その後の動きが時折報じられることもあるが、基本的にはメディアへの露出も沈下し、すでにほとんどの人の意識の中で関心は薄れてきていると思う。

「人の噂も75日。2~3ヶ月もすればどうせ忘れてだろう・・・」。それが、まさに組織の長でありながら表には一切出ず、非を認めようともしない田中理事長を代表格とする日大理事会(経営陣)の狙うところでもある。

一方、日大から懲戒解雇されたといっても、内田前監督はそれを不服として提訴し、証拠不十分を理由に立件が見送られるとの報道もある。そうなると復職する可能性すらあるという。

「疑わしきは罰せず」が法の原則とはいえ、実質的な責任者たちは罪を問われない。良心の呵責から正直に名乗り出た権力に逆らえなかった若者のみが罰せられかねない、という解釈には何か釈然としない。腹の底に沈殿する腹立たしさや不愉快さは到底ぬぐえない。


この問題は『失敗の本質』でも指摘されているように、第二次世界大戦以降日本社会に根深く残る本質的な問題ともいえる。理不尽な上下関係による悲劇や不祥事が繰り返されぬよう、この事件は大切な教訓として決して忘れてはならない。

そのため、時間発生から時間がたった今、完全に忘れ去られないよう、あえて遅れたタイミングで微力ながらこの問題について考えてみたいと思う。


普通はメディアの報道の偏りと、報道を受け取る側の賛否やズレがあるものだが、一般視聴者とメディアが日大の対応を攻めるベクトルが今回の問題ほど一致しているケースは少なく、その意味でもとても興味深い。

なぜ、今回の問題はこれほどまでにわかりやすく、共感しやすいのであろうか? 一つには、ほとんどの人が身近にこのケースに似たいかにも日本的な理不尽な上下関係による“理不尽さ”が存在している、あるいは、過去自分自身が被害者として経験したことがあるため、感情移入しやすいというのは間違いないだろう。

ゆえに、勧善懲悪の時代劇を見るかのように、うっぷんを晴らす格好のターゲットにされやすいとも言い換えられる。


程度の差はあれ、田中理事長や内田前監督のような絶対力者がいて、その意向に従わなければその組織の中では生きていけないという、現実はどこにでも存在する。

東芝、神戸製鋼などの企業の不祥事の大本もここにある。つまり、権力者による理不尽さに逆らえずに、組織が腐っていく過程では次のようなプロセスをたどることになる。

上からの理不尽な指示 ――― 逆らえない空気 ――― 忖度とあきらめ ――― それが当たり前になり感じなくなる ――― そして、組織文化として定着 ・・・・・ 

組織がおかしくなる問題の本質とプロセスは一緒なのだ。


(2018年11月22日)

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