ハイパフォーマーは小さな約束を必ず守る
小さな約束の大切さ
仕事にかぎりませんが、「すぐやります」と口では調子のいいことを言うくせに、その後はなしのつぶて。約束を守らない人は嫌われます。小さな約束を軽く考えてやらない人は、本人は気づきませんが確実に信頼を失っています。
信頼関係が仕事を進める上での大切な基本になりますが、口だけで約束したことをやらないのは最悪で逆効果です。ミスがあっても相手も人間なので、多少は我慢してくれます。しかし、口先だけの人間は信頼されません。必ず裏で悪く言われるようになります。その評価が広まり・・・、信頼されなければ仕事になりません。
なぜ約束を守らないのか
わざと約束を守らないという人は少ないと思いますが、自分が「やります」と口にした約束を守らずに、信頼を失っていることに気づいていない人は意外と多いものです。
約束を守らない原因を探ると、「忘れている」「約束したつもりがない」「面倒くさい」の3つが浮かび上がんできます。
この3つの悪いパターンに陥らないように、「ハイパフォーマー」が心がけていることを紹介します。
「忘れている」――
打合せが終わったら忙しさにかまけて忘れてしまう・・・ あるいは、やらなければならないことはわかっていても、つい先延ばしにしてしているうちに・・・ 誰にでもあることです。
うっかりミスをなくすためには、自分の記憶に頼らずにこまめにメモを取ることです。そして、簡単なことなら、忘れないうちに即対応するのが結局は一番の近道です。
凡人はついあとでやろうとしがちですが、ハイパフォーマーは仕事が早いです。そうしないと、新しい仕事がどんどん増えて溜まっていくからです。先送りにすればするほど、記憶も薄れ対応が遅くなります。
メールであれば、見たらすぐ返信。どんなに遅くとも1日以内に返信。内容的に即答が難しい場合は、まず受取確認の連絡をした上で、約束した期限内に対応。ハイパフォーマーは自分自身でルールを決めて対応しています。
すぐに対応できない多少時間のかかる内容であれば、まず、スケジュール化。約束を守るためにやるべきことを明確化し、対応時間を確保するために、期限から逆算してスケジュール化し、着実にアクションを起こします。
「約束したつもりがない」――
相手は約束したと思っていても、受け手側は軽く考えてしまっている、つまり、約束したつもりがない / 意識が薄い、というズレが生じているケースもあります。
たとえ小さな約束でも約束は約束。頼んだ方はしっかり覚えているものです。約束を守ることで、信頼ポイントが少しずつ溜まり信頼度が高まっていく。逆に、約束を守らなければすぐに信頼を失ってしまうことを、ハイパフォーマーは知っています。
意識のずれを防ぐのは、打合せの最後にメモで確認しながら、やるべきこと = 約束したことをお互いに確認するという信頼獲得の基本マナーです。徹底できれば、約束した / していないといったズレは発生しません。
「面倒くさい」――
質問回答、要望対応、提案など、すべてを自分一人でやろうとすると少し面倒かもしれません。しかし、チームや関連部署などに協力してもらって、組織で対応すれば自分自身の負荷が減って楽になります。
一人で抱え込み、手をつけずに放っておいて期限が間に合わない、という事態は避けなければなりません。特に、“抱え込み”は「他人に頼めない人」によくあるパターンなので要注意です。
そうならないために、一番手っ取り早いのは、身近な人や詳しい人に助けてもらうことです。特に実務を自分だけで抱え込んでしまうと時間がいくらあってもたりません。
ハイパフォーマーは、チームのメンバーや社内の関係者と仲良くすることを心がけています。自分の負荷を軽くするチームで対応する仕組みを意識的につくりあげています。
資料作成の時は
資料を作成したり、課題解決提案案を考える必要がある場合だと、確かに手間と時間がかかり面倒くさい時もあります。
そこで、ハイパフォーマーは時間がかかるパワポなどの資料作成は極力効率化するように心がけています。
資料をイチから作り始めるのではなく、まず類似資料がないかを確認します。そしてある場合は、それを活用することで効率化を図ります(言葉はあまりよくないかもしれませんがパクろうとします)。
さらに、社内外にテーマや課題ごとの相談者(ブレイン)を持つように普段から努めています。
さらに上を目指すなら
さらに上を目指すための上級編も紹介しましょう。何か依頼されるたびに、いちいち調べたり探すのは面倒くさいので効率化を図りたいところです。
そこで、依頼ごとや宿題、課題をパターン化し対応するための知恵をためる「ナレッジフォルダ」を構築しておく、という方法です。
会社にFAQ集が整備されているのであれば普段から熟読し、回答パターンを頭に入れておくのが基本です。
面倒くさいと感じるかもしれませんが、急がば回れ。ハイパフォーマーは、こういう簡単な仕組みづくりには、逆に手間をかけているのです。
資料や提案作成に効率よくスピーディに対応できれば、社内外で信頼ポイントが上がり、「あの人はできる」という評判が広まります。
【まとめ】
〇ハイパフォーマーは、小さな約束を必ず守る。たとえ小さな約束でも頼んだ方はしっかり覚えているもの。約束を守ることで信頼度が高まる。
×凡人は約束を軽く考える。これくらいなら大丈夫だろうと、安請け合いした約束を平気で破る。だから、知らないところで信頼を失っている。
(参考文献)
『営業の正解』信頼されるビジネスマナー⑤ 口だけでなく、約束をちゃんと守っていますか?
※「ハイパフォーマーの成功特性」は、これまでに出版した本の一部を改編・再編集したり、ページ数の制限でやむなくカットしたネタなどもあらためて紹介します。
今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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(株)フリクレア 代表取締役
山田和裕
(2025年02月25日)