評価ゲーム
昨今の厳しい経済環境下で、ほとんどの会社が従来の経営手法の見直しに努力していることはご存知のとおりです。しかしその中で、意外にも手をつけられていない分野が人事評価なのです。本当に悲しいことなのですが、時間と手間とお金をかけた立派な人事評価は、ほとんど役に立っていません。
上司と部下は、忙しいにもかかわらず建前で『評価ゲーム』を行っているにすぎないのです。自分たちの人生に大きな影響を与えるというのに!
この問題については、意外に人事部門自身も苦悩していることが、実際に人事制度を設計したり、評価したりする側の人々の意見を聞いた時にわかりました。
人事部門はエリートとしての自負も高いため、自分たちがつくった評価制度に問題があることを表立ってはなかなか認めにくいものです。しかし、本音ではみな人事評価がこのままでよいのかと負い目を感じているのです。
有名企業で人事部長を務める私の友人は、「実際の評価は、評価ルールとはまったく関係ない」とこっそり教えてくれました。また、「そろそろ本当の評価をやらなければならない」と真剣に語ってくれたのは、とても印象的でした。
「まずは誰も触れないこの点についての問題提起」が私の使命だと感じています。
(2009年03月13日)