プロセスの見える化とは?
インテルの第3代CEOであるアンドリュー・S・グローヴ氏は著書『インテル経営の秘密』で、「一般に、生産プロセスに似た活動はどのようなものでも容易にブラックボックスとして表わすことができる」としながら、「このプロセス内でわれわれの活動を改善するために、ボックスにいくつかの『窓』を開けて、その中で何がどうなっているのか見えるようにすることができる」と書いています。
この「窓を開ける」ことが、プロセスマネジメントでは、見えなくなってしまっている途中のプロセスを見えるようにすることなのです。
これまでは、個人にまかせっきりで見えなかった営業職をはじめとするホワイトカラーの業務プロセスを見えるようにし、問題がありそうなプロセスを明らかにします。そして、問題の原因やボトルネックを見つけ、業務のカイゼンを図るのです。これがプロセスマネジメントにおける「プロセスの見える化」です。次に、どのようにプロセスとは何か?という定義について説明します。
通常、プロセスというと、多くの方が横一本の直線のようなものをイメージされるのですが、それほど単純なものではありません。そこで、プロセスをわかりやすくするために、「進捗」「活動」「やるべきこと」という3つの軸で表したのが図です。
上段の「進捗」は、お客様が商品やサービス購入を検討する購入プロセスです。
中段の「活動」は、お客様の「進捗」を進めるために、自社の営業が行う営業プロセスです。
下段の「やるべきこと」は、「進捗」や「活動」に応じて自社の営業が行うべきチェック項目です。
通常は、以上のような「進捗」「活動」「やるべきこと」が頭の中で混在していて、整理されていないのです。そこで、このように3つの軸によりプロセスを3次元的・立体的にとらえていくと、わかりやすくなると思います。
このようにプロセスを定義し整理すると、商談を進めていく際のお客様と自社の関係が、俯瞰的に把握できるようになります。これが、プロセスマネジメントを行うための基本となり、プロセスの見える化のはじまりです。
(2009年08月14日)