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コラム

失敗するプロジェクト体制

 前回は「成功するプロジェクト体制」についてご説明しました。今回は逆に悪いパターンとして、失敗しやすいプロジェクト体制をあげてみましょう。

 

経営層

 「成果主義はうまくいかなかったので、プロセス評価という新しい仕組みを導入する。あとはよきに計らえ」という具合に、部下に“丸投げ”してしまうケースです。

 経営者自身が人事評価制度をよく理解していないと、その意図が部下には伝わりません。評価制度は、経営者自身を映し出す鏡であることを十分認識して、そこに経営哲学や魂を入れる役割を担う必要があります。

 今の時代、ITに理解がない経営者は経営者たる資格がないとも言われますが、評価制度も同じなのです。経営者自身も評価したり、されたりという経験は必ずあるので、ITシステムより理解しやすいはずです。

 

マネージャ層

 経営層の考えやプロジェクトの重要性がしっかり伝わっていないと、表面的に指示には従いながらも本音の部分では、「評価制度だけを変えても効果があるとは思えないが、上がやれと言うならやるしかないな。現場になんとか頑張ってもらおう」と、“他人事”のような意識になります。また、何か問題が起きた場合に誰も責任をとろうとせず、プロジェクトは頓挫します。

 

現場層

 経営層の思いや目的が伝わらなければ、本気で取り組む気が起こりません。正面切っては反対しませんが、“やる気がない”ままプロジェクトにしぶしぶ協力することになります。「忙しいのに冗談じゃないよ、今までとどこが違うのだろう。忙しいから、適当にやっておこう」というのが本音です。

 こういう状態では当然うまくいくはずがないのですが、「どうして効果が出ないんだ」と上から言われると、「私たちは言われた通りにやっているのですが……。たぶん、新しい評価制度の○○のせいだと思います」というように新しい制度やツールの悪いところを適当にあげて、責任を転嫁してしまいます。

 

 うちの会社はここまでひどくないと失笑されるかもしれませんが、実態はこれに近いケースが結構多いのです。プロジェクト体制構築という最初の部分でつまずけば、あとの時間と労力は無駄になってしまいます。プロジェクトチームづくりの際には以上のような点を注意して、ベストメンバーを揃えてください。

失敗するプロジェクト体制


(2010年03月19日)

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