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コラム

ハイパフォーマーの信頼獲得の秘訣

 

ハイパフォーマーの習慣

 

いわゆるできる人 = 「ハイパフォーマー」は程度の差はあっても、少なくともポイントは必ずメモします。ポイントというのは、要望、質問などの宿題、価格や納期に関することなどですが、それ以外にもあります。

特に顧客が熱心にしゃべっていることは、多少話の筋からズレているように感じることがあっても、潜在ニーズにつながる大事なポイントであることが多いのです。

 

「メモくらいだれでもとっているよ」と思うかもしれませんが、ハイパフォーマーのメモの取り方は凡人より深く考えられたものです。

 例えば、カリスマ経営者のSさんは「そんなにメモるのか?」と感じるくらいに熱心に手書きメモを取っていました。それも紙を無駄にしないように、コピーの裏紙を使ってです。顧客との会話中、自分が話しているとき以外は、ずっとメモを取っているくらいのイメージです。

メモを熱心にとる訳

 

気になって聞いてみると、こんな答えが返ってきました。「メモを熱心に取っていると、自分の話を真剣に聞いてくれていると、相手は感じるものなんだ」

裏紙を使っているのも、堅実経営を行っていることのアピールだということでした。意図的に“メモ魔”を演じていたというわけです。 

さらに突っ込んで教えてもらうと、必ずしもお客様の言っていることを、そのまますべてメモっているわけではないとのことでした。お客様のコメントに対する疑問や、連想して思いついた提案やヒラメキなどもメモしているそうです。

 

ハイパフォーマーの信頼獲得の秘訣

 

たかがメモと侮ることなかれ

 

この話から学べるのは、仮にポーズであっても、メモを取っているだけで信頼されやすくなるというちょっとズルいテクニック的なビジネスマナーです。

さらに、話の最後でメモを見直しながら、やるべきことをお互いに確認できて安心できるというメリットもあります。

もし漏れがあれば、相手も指摘できますし、追加で質問が出たりもします。その場で確認しているので、あとで話が違うということも起こりません。

 

メモを取ると自然と聞き役に

 

「相手は自分の言うことを聞いてほしい」「自分が一方的にしゃべるのではなく、聞き役に回るように」「聞くのが7~8割。聞かれたことに対する説明や回答が2~3割」などとよく言われます。

とはいっても、営業は基本的にはコミュニケーション力がある = しゃべるのが得意な人が多いので、頭ではわかっていても実際はしゃべる時間の方が長くなりがちです。言うは易し行うは難しです。

 

ところが、メモを取っていると話に耳を傾ける姿勢になり、自然と聞く時間が長くなります。相手の言うことも整理できます。理解が深まりポイントもズレません。こちらが確認したい点も漏れがなくなります。

さらに、面談後の電車移動などの空き時間に、気になる言葉や思いついたこと、提案のヒントもメモすると復習効果が増します。その場合は打合せ資料に書き込んだり、スマホで自分宛てのメールでテキスト化して送ったりする人も多いようです。

 

できない人はなぜかメモを取らない

 

このように良いことづくめですが、“できない人”はほとんどメモを取りません。心配になって「メモは取らなくても大丈夫ですか?」と聞いても、微笑みながら「大丈夫です」というだけでメモを取ろうとしません。

 

自分の記憶力によほど自信があるのでしょうか。しかし、忙しい営業はやらなければならないことが山積みなので、仮にその場では覚えていたとしても、その後には別な仕事も控えているわけです。特別な記憶力がないかぎり、すべてを頭で覚えておこうとするのには無理があります。

 

メモを取らない人は、言ったことや約束したことを守らない確率が高く、ポイントがズレることも多いです。人間は忘却曲線に従ってものを忘れてしまう動物だからです。

 

PCでのメモはおすすめできない

 

メモを取るならどんなやり方でもよいというわけではありません、あまりおすすめできないのはPCでのメモです。PCを打ちながら聞いていると、別な仕事をしているのではないかと疑われることがあるからです。

IT業界などでは、打合せ後にすぐ議事録にできるので一般的で効率的ですが、話している内容を本当にタイプメモしていても、手書きと同じように信頼されるという効果は期待できません。

 

会話のテンポも微妙にずれるので、ちゃんと聞いているのだろうかと少し不安になる時もあります。コロナ以降、フェーストゥフェースのリアルミーティングは特に貴重な顧客とのコミュニケーションの機会です。

もし、PCでメモを取る場合は、一言断って許可を得てからの方がよいと思います。

 

【まとめ】

〇ハイパフォーマーは、メモを戦術的に活用する!メモは信頼獲得の最初の一歩。

×できない人はメモを取らず、自分のあやふやな記憶に頼る

 

(参考文献)

『営業の正解』信頼されるビジネスマナー③メモを取っていますか?

 

※「ハイパフォーマーの成功特性」は、これまでに出版した本の一部を改編・再編集したり、ページ数の制限でやむなくカットしたネタなどもあらためて紹介します。

 

 

今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

「ハイパフォーマーの成功特性を自社のビジネスに取り入れたい」「成功・失敗のプロセス分析を行いたい」方は こちらからご連絡ください。

 

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()フリクレア 代表取締役

山田和裕

(2025127)


(2025年01月27日)

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