プロセスの<6段階>成熟度モデル
プロセス成熟度モデル
プロセスの見える化といっても、会社や組織によりそのレベルが異なります。プロセスの見える化がどの程度のレベルまで進んでいるかを把握する尺度として、成熟度モデル (CMMI = Capability Maturity Model Integration)というとらえ方があります。
元々はソフトウェア開発におけるプロセス管理のための概念でしたが、昨今では営業、サポート、財務経理など他の業務におけるプロセス改善にも応用されるようになっています。今回はプロセス成熟度モデルの6段階をご紹介します。
プロセス見える化の6段階
成熟度は、レベル0までを含めると、6段階で定義されます。それぞれの定義をわかりやすくまとめてみました。図と一緒にご覧ください。
「プロセスの大切さを認識しているか」「標準化できているか」「見える化はどの程度まで進んでいるか」「プロセスの改善や徹底が組織に浸透しているか」が、レベルの違いを判断するポイントになります。
※参考文献 Software Engineering Institute『開発のためのCMMI®1.3版』(CMMI-DEV,1.3 より良い製品と
サービスを開発するためのプロセス改善 2010年11月)をもとに、フリクレアでわかりやすく表現を修正
【レベル0】
プロセスの大切さや標準化の必要性はあまり認識されていない。属人的な対応が当たり前なので、同じミスを繰り返し無駄も多い。
【レベル1】(初期)
プロセスの大切さは認識されているが、まだ個別対応のレベル。組織的に標準的なやり方を整理する動きはない。
【レベル2】(限定的な標準化)
標準化が行われ始めるがまだ限定的。できる社員やベテランなど一部の人間は自分なりのやり方を確立していて、個人的に教えている状態。組織全体では共有されていない。
【レベル3】(文書化の始まり)
プロセスが文書の形でようやく定義・標準化された状態。研修・OJTなどを通じて組織の関係者で共有され始めている。
【レベル4】(データで見える化)
標準プロセスを実践し、進捗が見える化されているため、結果の予測が可能になっている状態。目的や結果がデータで定量的に測られ、プロセスも改善されている。(プロセスマネジメントの実践)
【レベル5】(改善と徹底の浸透)
プロセス改善が継続的に行われ、最適化に向けてさらに進化していく状態。標準プロセスの実践が徹底され、改善も当たり前のこととして組織に浸透している。
自分の組織のプロセスの見える化はどのレベルか
さて、あなた所属する会社や組織のプロセス見える化の成熟度レベルははたしてどのレベルでしょうか? 普通はレベル1や2が多いのではないでしょうか?
3次元プロセス分析法®によるプロセスの標準化・見える化は、レベル3~5を狙うものです。一足飛びにレベル5には到達できませんが、まずは、レベル3に挑戦、その後、一段ずつ階段を登っていくことです。
その先には、リーダーがうるさく言わなくても、プロセスを継続的にカイゼンしながら、自分達で考え業績を伸ばすことのできる〝自律分散型組織〟の誕生が待っています。
以上、プロセスの見える化に取り組む上で、基本となるプロセスの成熟度モデルをご紹介しました。
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今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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(株)フリクレア 代表取締役
山田和裕
(2021年12月27日)