自己実現型社員の時代
20世紀までは、会社に入って大過なく定年まで過ごし、人並みの年金生活に入るという平均的なパターンをたどることで満足したり、人より野心があるとしても、とりあえず役員になるのが目標というような人が多かったように思います。
しかし、21世紀に入った今は、社会の変化にともない自己実現を求めている人が増えてきています。現状を打破し新しい変化を起こしたり、起業したいと考えている人も数多くいます。
こういった人は、組織の枠にとどまらず、社会貢献できるような崇高な自己実現欲求をもっています。彼らは自らが定めた目標のためには自我を超越して働くことができます。報酬そのものや労働時間にはあまりとらわれることなく、献身的に働いてくれるのです。
これからの時代は、こういった自己実現をめざす「自己実現型社員」に気持ちよく働いてもらうために、いかにモチベートするかがカギになります。
会社で働く喜びや誇りを感じさせながら能力を高めてもらうには、物理的な報酬だけでなく心の報酬を充実させなければなりません。そのために、献身的に努力して成果を出し常に上のレベルをめざそうという社員を、惜しみなく賞賛し公正に評価します。その上で、「やりがいのある仕事」や「夢を実現できる仕事」に取り組んでもらうよう後押しします。
会社は自己実現型社員の創造性を抑圧しないように、人間性を尊重する基本に立ち返ることが、今のような本当に厳しい環境下においてこそ求められているのです。
(2009年09月05日)