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プロセスの「型」を人財育成に活かす ー 人財育成(1)
失われた時代でないがしろにされた人財育成
日本経済が元気を失くしてもう四半世紀経ちます。失われた時代*では、短期的な結果ばかり気にするようになりました。そういった風潮の中で、すぐに結果には結びつかないように見えるかもしれないが実は大切なこと、つまり人財育成が軽んじられてしまいました。
(*バブル崩壊以降の失われた期間は10年→20年→30年と段々伸びてきて、ふと気づけばもう四半世紀を過ぎています。人によって期間のとらえ方は異なると思いますが、あまりにも低迷期間が長いので、もはや〇年という言い方を続けるよりは、包括的に「失われた時代」と言い換えた方がよいのではないか?と個人的には考えています)
目標数字を追うことに必死でマネージャーの余裕がなくなり、人財育成にかける時間が減りました。その結果、業績が伸びないという悪いスパイラルに入ってしまっています。
人の成長なくして、業績向上なし。人財育成をないがしろにすれば、組織の将来も危うくなります。誤った成果主義のため、人財育成がおろそかになったことが、失われた時代の弊害のひとつです。
基本を無視した旧態依然の人財育成
ビジネスの世界においても、人財育成のためには基本の習得が大切なはずです。ところが、実際の営業育成には違和感を覚えます。大切な基本を教えないまま現場に放り出し、あとは属人的なやり方と運に任せるだけ。時折、現場の実態には合わないありきたりの汎用的な研修でお茶を濁している。このように感じるのは私だけでしょうか?
スポーツでも習い事でも、人は何か新しいことを始めようと思ったら、まずは基本から始めます。我流のやり方では、成長に時間がかかるからです。我流はまったくダメだとはいいませんが、やり方もわからぬまま独学で試行錯誤するのでは効率が悪すぎます。迷路に入り途中で行き詰りやすくなります。
プロのレベルでもスランプに陥り、結局は悩んだ末に基本に立ち戻ることもよくあります。何事も基本が大切なのは申し上げるまでもありません。
サッカーに例えれば、未経験者がクラブに入ってきても、いきなり試合はやらせません。まずは、先輩へのあいさつなど基本的なルールやマナーを教えます。球拾いなども経験させます。それから、キック、トラップ、シュート、ヘディングなどの基本技術のトレーニング。その後、徐々に実践練習に入っていく、というプロセスをたどります。これが普通の育成プロセスです。
基本の型を明確に示す
ところが、なぜかビジネスになると、基本がいいかげんになります。最低限の教育すら十分には行われません。「即戦力」や「スピードの時代」という都合のよい言葉を使って、いきなり実戦に放り込み、結果だけを求める光景がよく見られます。
普通に考えれば、これでうまくいくはずがありません。迷える子羊を量産するだけです。では、どうすればよいのでしょうか。
ひとつの答えは、会社や組織側が“標準プロセス”を整理し、営業の基本の型として明確に示すことです。標準プロセスは、「成果を出しやすいプロセス」を明確にし、「やるべきこと」を漏れなく徹底するための「人財育成の基本の型」です。
また、仕事の課題や改善点を話し合うための“共通言語”として、標準プロセスを活用することで、コミュニケーションが活発になります。チーム力・組織力強化につながります。OJT・研修や人事評価と連携をとるためつなぎ役(媒体)にもなります。
できる営業の勝ちパターンなので、真似するだけで成長を早めることができます。マニュアル好き、ツール好きな若い世代にも受け入れられやすいものです。
標準プロセスは木にも例えられます。「人財育成」や「営業力強化」だけでなく、「業務改革」「生産性向上」「残業削減」を行うための幹や枝になります。
SFA/CRMなどのシステム導入においては、業務プロセス分析が必要になりますが、標準プロセスができていれば簡単です。
さらに、人事評価(プロセス評価)に活用することで、標準プロセスの取り組みを支えることにも応用できます。
次回は「(仮題)型で成長のスピードを速くする」というタイトルで、標準プロセスでつくる基本の型の育成効果について解説します。
人財育成の基本の型については、こちらもどうぞ → 人財育成の基本の型(標準プロセス)
今回も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
標準プロセスを活用した人材育成の基本の型づくり、営業強化のための人財育成に興味がある方は こちらからご連絡ください。
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(株)フリクレア 代表取締役
山田和裕
(2022年07月25日)