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人事評価の5大失敗パターン
人事評価で苦労されている方も多いと思いますが、やってはいけない「人事評価の5つの失敗パターン」があります。
人事評価をうまくやるためには?とどうすればよいのか?考える方が常識的だとは思いますが、正論だけを聞かされてもどうも腑に落ちないケースも多いものです。
経験的には、逆にやってはいけない失敗パターンを使って説明してあげた方がわかりやすいようですので紹介したいと思います。
これをやればモチベーションは確実に下がります。
(1)イエスマンを評価
歴史が語るようにイエスマンだけをまわりに集めた経営は必ず崩壊します。私も自分が勤めた会社や取引のあった会社がダメになっていく例をいくつも見てきました。国内ではライブドア、ダイエー、海外ではフォードなどその例は枚挙にいとまがありません。
自分に異を唱える社員を排除したり、言うことを逆らわずに聞く人間ばかりを登用していれば、社員は会社のトップの顔色を見ながら働くようになります。組織はそのトップ以下にしかなりません。経営が愚かであれば、会社という組織の上位下達を原則とする制度上、部下も愚かになり、会社は衰退に向かうプロセスを着実に進んでいくことになるのです。
(2)好き嫌いで評価
人が人を評価するので、お互いの相性・マッチング、特に上司の好みというのはある程度は仕方がありません。しかし、嫌いな部下にはルールを盾に厳しく成果を求め、達成できない場合は厳しく叱責するが、お気に入りの部下には結果にかかわらず甘い評価を下したり、そもそもの目標設定を甘くする。
このように好き嫌いで評価したり、人により評価のルールを都合よく使い分けるようなことを行なうと、部下のモチベーションは確実に落ちます。まじめにやっても評価されないのですから、まじめに働くのがばかばかしくなり、その人は力をフルに発揮しなくなります。
(3)不公平な前提条件で評価
最初から取引量の多いお客を担当させる、全くゼロからの新規開拓エリアなのに同じ数値目標を課せられる。あるいは、市場規模が小さい地方の担当でも評価基準は首都圏エリアと同じ。このように、そもそも前提条件に差があるのに結果だけで評価されるのはアンフェアで、納得できないという話は現場の本音としてよく聞きます。
評価する側もその事実を認めながらも、評価の方法が難しいという言い訳であきらめているケースも多いのですが、公正な評価を標榜するのであれば、このあたりをきちんと改善していく姿勢が大切です。
(4)お酒の席で評価
夕方からのお酒の付きあいの場で、グチや悪口を本音で語り合いながら、密室で評価を行い人事まで決めていくというのは現実に多いようです。お酒のせいで口も軽くなり、人事情報も漏れやすくなります。
多くの社員がまじめに残業して働いている間に、業務をほったらかして社内政治に傾倒していくのは本末転倒です。ある大きな鉄鋼会社や商社では、「お客様への対応より社内政治が大切」と真剣に語っている人がいて、あいた口がふさがりませんでした。
(5)長く勤めている過去の功労者を地位で評価
「創業以来がんばってくれているから…」「長年勤めているのでそろそろ…」情により処遇するのは日本人として心情的には理解できないわけではないですが、適材適所でない場合、本人も他の社員も不幸になります。本当の実力がある人には、勤続期間にかかわらず、当然しかるべきポストを与え、さらに上のミッションを担ってもらうべきですが、会社の成長や状況にあわせ、冷静に本人の適正を判断すべきです。
いかがでしょうか?ご自分の会社でもこれらのパターンに該当するケースがありませんか?公正な評価を目指すのであれば、このような“主観に頼る評価”を行なわぬようくれぐれもお気をつけください。
(2010年01月22日)