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21世紀の人事評価⑫ 強みを活かす評価
(20世紀型評価は欠点を責めた)
日本企業における評価は減点方式に陥りがちです。人の長所=強みより、欠点=弱みに目がいってしまうのです。「弱みやできないことに目が行きがちである」という人の性(さが)を踏まえた上で、常に戒めなければなりません。
20歳を過ぎてからは、人間の性質を変えることは難しいので、欠点はよほどのことがない限り直らないと諦めたほうがよいでしょう。欠点を直すことに時間を費やすより、長所を伸ばすことに重きを置いた方が本人も喜びます。指導する上司や同僚にとっても精神衛生上健全です。心理学的にも、よいことをした時にほめるのと、間違った時に罰を与えることを比べると、前者の方がはるかによく学習し、トレーニングの効果が上がることが証明されています。
【21世紀型評価では人の強みを認めて活かす】
優れた評価は人の「強み」を活かします。弱みからは何も生まれません。組織の良さは、強みを成果に結びつけ、助け合いにより弱みを補うことができるところです。重要なのは、弱みを最小限に抑えることではなく、成果を生み出すために強みを最大限に発揮させることです。大切なのは、どうやって人の強みを活かしながら欠点を補うかです。身近によくいる営業員の3つのタイプを例にとってみましょう。
Aさん … フットワークが軽く新規開拓や商品説明は得意だが、提案が弱いため商談を落としてしまうタイプ
Bさん … 条件交渉にはめっぽう強いが、夜の飲みも大好きなため新規開拓が手薄になりがちなタイプ
Cさん … 口下手でなぜ営業に配属されたのかわからないが、資料作成はピカイチで皆に頼られているタイプ
このような場合は、各人の強みを集めてチームにすればよいのです。お客様の受けがよく新規開拓や商品説明が好きなAさん、条件交渉に強く案件クローズで頼りになるBさん、そして提案資料作成がうまいCさんを一つのチームにすれば、お互いの強みを発揮しながら弱みを補い、結果的に会社の業績に貢献しやすくなります。このように人の強みをチーム制や分業制という仕組みと併せることで、「人を活かす」のです。
21世紀型評価では、客観的なデータを使いながら人の強みに注目して、チーム制や分業制で活かす視点が大切です。
(2011年09月26日)