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21世紀の人事評価⑮ 継続的なカイゼンでよくする評価
(20世紀型評価は導入したら終わり)
評価制度は導入したら終わりではありません。導入はあくまでカイゼンのためのスタート地点に過ぎません。
残念ながら、カイゼンの重要性を頭ではわかっていても、実践できている会社は少ないのが現実です。新しいやり方や制度を入れること自体がゴールとなってしまい、そこで終わってしまうケースが多いようです。
導入が終わるとその後は、「ご苦労さん。じゃ、あとは現場でがんばって」と、プロジェクトチームも解散。担当していた社員も責任から解放されて「やれやれ、やっと終わった」と安堵してしまいがちです。
しかし、これで安心してはいけません。設計上はどんなに優れた制度であっても、継続的にカイゼンしていかなければ意味がないのです。“形”を導入しただけでは、その目的や考え方の真の意味での浸透は望めず、期待した効果も出にくいのです。
評価制度に限らずどんな制度やツールでも同じで、導入の最初の頃は新しいことや変化に反対する社員からの抵抗があり、うまくいかないものです。それでもあきらめずに辛抱強く、社員たちに受け入れられるようにカイゼンを繰り返し、運用を“徹底していく”という泥臭さが、成功させるためには必要なのです。
【21世紀型評価では本気でカイゼンを行う】
カイゼンにあたっては、「評価カイゼン委員会」のような経営直轄の組織をつくることをおすすめします。それにより、会社として継続的なカイゼンを本気で行っていくという姿勢を示すのです。
そこで、アンケートとキーマンからのヒアリング、そして結果のフィードバックを定期的に行います。まず、一般社員に対してアンケートを実施します。例えば、以下のようなポイントをアンケートに入れ、運用の実態を把握します。
□運用ルールに従って、納得のいく目標設定ができたか?
□評価結果のフィードバックは、時間をかけ納得のいく説明があったか?
□評価が業績改善に効果的だと思うか?
□評価が社員のモチベーションアップに効果的だと思うか?
□評価自体の納得感は向上したか?
次に、現場のキーマンや若手にヒアリングを行います。ヒアリングは、アンケートでは読み取れない本音の部分を聴取するために重要です。そのポイントも挙げておきます。
◇評価内容が現場の実態に合っているか?
◇評価の理念や目的が現場に浸透しているか?
◇運用ルールは徹底されているか?
◇足すべき項目やカイゼンすべきポイントはあるか?
評価制度は、成果主義にせよ何にせよ、評価シートとマニュアルのような形だけ整えても決してうまくいきません。評価制度自体の見直しだけでなく、運用の徹底とカイゼン、評価者教育、そして何よりも重要な新しい評価制度を受け入れる組織文化の変革など、広い意味での人事評価システム全体まで含めたカイゼンを行っていくという視点が求められます。
21世紀型評価では、制度構築をスタートとして、現場の意見を取り入れながら、継続的にカイゼンしていくことを徹底する必要があります。