できる人 vs できない人 その差はどこに?
前回「評価されるプロセス 評価されないプロセス」について説明をしました。ただし、ここで注意したいのは「評価されるプロセス」の中にも、集中してやるべきことと、できるだけ人にまかせた方がいいことがあり、それを明確にしてメリハリをつけて行っていく必要があるということです。
標準プロセスは一つひとつが重要であり、どれか一つが欠けても仕事はうまくいきません。従って、標準プロセスを行うのは決して間違いではありません。しかし、仕事の目的はあくまでも成果を効率的に上げることですから、そのために有効なプロセスにより集中することが大事になるのです。
図は、ある営業活動の各プロセスにかける時間を棒グラフで表示したものです。横軸に標準プロセス、縦軸に各プロセスに費やした時間を表しています。また、上は仕事ができる人(Aさん)のデータで、下はできない人(Bさん・業績が伸びず悩んでいる人)のデータとなっています。
2人を比べてみると、
Aさんは、「ヒアリング」「提案」「交渉」に時間をかけている
Bさんは、「提案作成」「クレーム対応」に時間をかけすぎている
ということがわかります。
提案作成やクレーム対応も必要なプロセスには違いないのですが、Bさんはそこに時間をかけ過ぎて、ヒアリングや提案、交渉という、本来、営業成績を上げるために行うべき、より重要なプロセスが手薄になってしまっているわけです。
このような場合、上司がBさんに、Aさんのデータを見せながら、もっと成績を上げるために、力を入れるべきプロセスとそうでないプロセスを示して指導します。こうした継続的なコーチングを、評価面談の時だけでなく日々のコミュニケーションを通して行っていくことで営業のやり方の改善が図れます。
このようにして、会社が標準プロセスを決めた後、さらに、「やるべきこと(集中すべきこと)」と「人にまかせること(必要最小限やること)」を明確にして指導していけば、営業員たちが各人の思い込みで無駄な仕事をすることが少なくなってくるのです。
(2011年11月27日)