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できる営業の選び方
フリクレアは「できる営業」のやり方を標準プロセスとして整理し、「営業の勝ちパターン」を明らかにするプロセス見える化のコンサルティングを行っています。ということは当然、「できる営業選び」が重要なキーになるわけであり、「できる営業とはどういう人のことを指すのか」も明らかにしておく必要があります。
「できる営業の5つの条件」としては、①実績を継続的に出し続けている ②科学的な営業マネジメントを実践している ③自分でプロセスが描ける ④現状を打破できる (イノベーションを起こせる) ⑤組織を動かせる などがあります。
(できる営業の定義の詳細については、コラムNo.85 “できる営業”の定義 に詳しく述べていますので、ご興味あればそちらも参照ください)
その中でも、「①実績を継続的に出し続けている」ことは絶対条件です。プロセスの標準化を行った時に、「誰のプロセスを参考にしたか」は当然問われるところ。その時に「あの人のプロセスであれば納得できる」と誰もが認めるトップセールスであることが大前提です。
ただし、結果を出し続けているできる営業は間違いなく忙しいので、見える化への協力を要請しても難色を示される場合もあります。(特に見える化の必要性や本質を理解できない上長に相談する場合)
しかし、「実績は今一つだが時間はあるので代役で」という中途半端な人選は絶対にしないでください。特に「何であの人なの?」と疑問視される対象者は絶対にNGです。「ヒアリングでいくら時間を費やしても、その人の持っている以上のものは引き出せない」ので、理解のない上長の非協力的な抵抗などには決して屈しないようにしてください。
本物のできる営業とニセモノの見分け方のヒントもお伝えしておきましょう。本物の「できる営業」ではない「ニセモノ」で多い反応は、質問すると「それは色々あります・・・」で話が始まり、課題や改善要望までは指摘できるものの、その答えや具体的な解決案は示すことができず、うやむやのまま抽象論だけで終ってしまうというパターンです。そして実はここが、本物かニセモノかを見極めるポイントなのです。
ニセモノの話を聞いても、参考になりそうなノウハウは聞けずじまいで、結局は時間の無駄です。それなりの話はしてくれますが、どこかで聞いたような胸を打たない薄っぺらな話で終りがち。自分が実質的な担当やリーダーとして実績を出したことのない人からは、共有に値するノウハウは聞けません。なぜなら営業の本質がわかっていないから話せないのです。
聞いていて思わずメモを取りたくなるような面白い体験論や具体論でないかぎり、他の社員に真似してもらうお手本にはなりません。ニセモノを選んでしまうのは、社内的配慮の結果や悪平等的に対象者を増やす際に、陥りやすいパターンなのでくれぐれも注意してください。
また、立場や役職も重要です。できる営業というと、現役の中堅や若手を選びがちなのですが、現役であるかどうかは重要ではありません。多少ブランクがあっても、営業の本質はそれほど変わらないので、コンスタントに結果を出し続けてきた実績があり、マネジメント的な視点も持っている役員・部長クラスのキーマンがベストです。
プロセスの重み付けはおかれた立場や役職により変わってきますので、マネジメントのためにプロセスを見る必要がある、経営的な視点を持った役員クラスか、将来の幹部候補の方が適任なのです。また、実績だけでなく、科学的な営業のやり方にも理解がある人が望ましいです。
繰り返しになりますが、選んだヒアリング対象者の能力・知見以上のものは引き出せませんので、人選はとても重要であり、それがすべてだと言っても過言ではありません。
「できる役員・部長クラスのキーマン」は当然多忙なので、プロジェクトの全期間対応してもらうのがどうしても難しい場合もあります。その場合は、見える化に関するミッションを担う総括・企画部門などの責任者が、できる営業の行動プロセスのベースを6割程度つくり、足りない部分を現場のキーマン数名程度を選んで一緒に完成させるという次善の策もあります。
比較対象として参考までに申し上げておくと、課長以下のレベルだと、部長クラス以上が重要なプロセスとみなしていない、細かい実務的な要素に偏りがちな傾向があります。
また、勉強目的でまだ実績や経験が豊富ではない若手をヒアリング対象者にすると、傾聴に値する知見やノウハウを十分備えている確率が低いので、うまくいかないケースが多いです。
※さらに詳しくお知りになりたい方は、拙著『営業プロセス見える化マネジメント』の第3章 プロセス整理の事前準備 ―― 「できる営業」を選ぶ(P48-66)もよろしければご覧になってください。
(2019年05月27日)